バーには物語がある

と、いつぞや誰かが言っていたが、カフェにも物語がある。
会社帰り、某チェーン系列のカフェに寄り、ぼーっとお茶したり、ペン字の勉強をする事がよくある。
基本的に店内は静かなので、隣のテーブルの会話なんかが嫌でも耳に入る。
子供や旦那の事、保護者同士の付き合いなど、日々の生活の事をお喋りしあう主婦。
久しぶりに会ったのだろうか、お互いの波乱万丈の近況を話す女性二人。
病気の叔母の面倒を見るハメになって自分の生活もままならず、兄弟は誰も助けてくれず、叔母は突然危篤状態、自分も体を壊しケガをして…などなど。
友達とのお喋りってこういうものなのか…。
生きていれば色々な事が起こるんだな…。


その向こうのテーブルには母子連れと年配の女性。
子供達がケーキやゼリーを選び、母親が買って席に着く。
今日のご飯のおかずが漬物だとか、毎日塾通いだとか、そんな話題で年配の女性が「かわいそうに」を連発していた。孫とおばあちゃんという事だろうか。母親と気さくに話している所を見ると、母親の実母のようだ。
「かわいそう」なんて連発されて、母親はどう思っているんだろう…。


そして、目の前のレジカウンター内からも会話が聞こえる。
ここには新入りのバイトが入ったばかりらしく、女の子がドリンクの作り方や食べ物の補充のタイミングなどを教わっていた。昨日・今日と行ったけれど、それぞれ違う女の子だった。
昨日の子は高校3年生で、もれ聞こえた話によると、私と同じ高校だった…(爆)
年配の男性の先輩店員に教わっていて、明るい元気な子だ。
「いま何年生?」「○○さんは派遣なんですか?」などなど、父親よりも年が離れているであろう人と普通に会話をしている。
これが普通の高校3年生なのか…。
自分が高3の時と比べると、雲泥の差。私は幼稚園児レベルだったと痛感する…。
そうか、普通の高校生はこうやってバイトして、人間関係を学んだりするものなのか。。


十人十色、人に歴史あり…文字を書きながら、そんな事を思っていた。
カフェには物語がある…。